
声を台風に飛ばされながら笑う友 背後はやけに広々として
花山 周子
台風5号が石垣島に近づいてきた。前回、2号が石垣に接近したときには東京にいたので、今度こそ(?)と張り切っているが、規模としてはあまり強くないようだ。
マンゴーやパイナップルなど、農作物のことを考えると、なるべく風雨が強くないよう、祈るばかりである。わが家のバナナも、ようやく実がついたばかりなので、何とか持ちこたえてほしい。
それにしても忙しい。いろいろな仕事を引き受けすぎたのが原因である。昔から自分はそうだったなぁ、と反省するばかり。断れなくて引き受けるのではなく、その仕事が面白そうで、他の人にはさせたくなくて、どんどん引き受けてしまうのだから、単なるお調子者である。
たくさんの締め切りが迫ってきてパニックに陥りそうになったとき、この歌のような豪快な人がいると、とても嬉しいだろう。こんな人は、言葉よりも先に体が動く人だ。私もそうありたい――ということで、相棒が庭から運びこむ鉢植えを、私もせっせと室内に敷いたブルーシートの上に並べるのであった。
風の音が強くなってきた。気圧計はいつも1010hPaくらいを示すのだが、6月24日19時現在は990hPaを指している。さて、夕飯にしなければ。
☆花山周子歌集『屋上の人屋上の鳥』(ながらみ書房、2007年)