
新しい年を迎えると、清々しい思いに満たされる。そして、仕事への新たな意欲も湧いてくる。並行して進めている仕事の中には、年内に形になるものがいくつかあり、自分でも楽しみでならない。誠実に書いてゆこうと思う。
細々と続けてきたこのブログについては、今年はほとんど更新できない見込みである。というのも、砂子屋書房のサイトで「一首鑑賞*日々のクオリア」という連載を担当することになったからだ。さいかち真さんと組んで、交互に書いてゆく。私は月・水・金を担当することになった。
http://www.sunagoya.com/tanka/
これまでの執筆者のなかには、「一首鑑賞」というよりは読み応えのある歌集評、という感じで、毎回とても力のこもった長文をしたためた方も多いが、私は「一首鑑賞」の形を大事にしたい。読んだ方に「今日、この一首に出合えてよかったな!」と思っていただけるような、そんな「日々のクオリア」を目指したい。
商人(あきんど)のような声出し携帯の向こうの部下に夫は指示する
前田康子
初回の1月5日には、昨年「日々のクオリア」を執筆した前田康子さんの歌を紹介した。「ああ、『塔』の人らしい、いい歌だな。自分にはこういう詠い方はできないなぁ」と思う一首である。
*前田康子歌集『黄あやめの頃』(2011年、砂子屋書房)