「カルピスが薄い」といつも汗拭きつつ父が怒りし山荘の夏
栗木 京子
先日、友達の家に遊びに行ったとき、「カルピス飲まない?」と訊ねられた。彼女の差し出した紙容器を見ると、それは別のメーカーの乳酸菌飲料だった。「それはカルピスじゃないよ」と私がいうと、友達は「ええ〜、うちじゃカルピスって呼んでるけど」と戸惑っている。私はなおも「んにゃ。カルピスはカルピスであって、乳酸菌飲料の総称じゃないんだよ」と言い募った。少し、おとなげなかった。
この歌は、山荘で過ごす夏の一日が、実に鮮やかにスケッチされている。作者の「父」は、たぶん少年期か青年期に戦争を体験した世代だと思われる。薄いカルピスは、彼に窮乏生活を思い出させたのかもしれない。あの頃どんなに自分たちは切り詰め、我慢を強いられて暮らしていたことか。もう戦争は終わった。あんな苦労は子どもたちには味わわせたくない。そこで彼は、「なんだ、このカルピス。薄すぎるぞ」と声を荒げるのである。
カルピス社のお客様相談室のアドバイスによると、おいしい作り方は、カルピス1に対して水3〜4という配分だそうである。私の慣れている配分より、かなり濃いようだが、この濃さなら、山荘の「父」もきっと満足するに違いない。
カルピスのギフトセットが届く夏そんな家族もつくりたかったが
松村由利子
小学生だった夏、家にカルピスのギフトセットが届いた。弟はまだ幼稚園に通っていた頃だ。箱をあけると、遮光瓶に入ったカルピスが何本も詰められていた。その中の一本を小さな弟が両手で持ち上げ、ラッパ飲みするような恰好をしておどけた。父も母も大笑いした。忘れられない光景である。
カルピスは、なぜか子ども時代の夏と濃密につながっている特別なものなのだ。一人ひとりの夏に、それぞれのカルピスの風景がある。
向日葵が咲きカルピスがまた薄い 塩見 恵介
☆栗木京子歌集『夏のうしろ』(2003年、短歌研究社)
☆塩見恵介句集『泉こぽ』(2007年、ふらんす堂)
自分は白いカルピスよりオレンジ味のカルピスが飲みたくて祖父母にせがんだ思い出があります。
ああ、オレンジ味のカルピス!
そして、カルピスと祖父母、という組み合わせもまた郷愁をそそります。
洋上のカルピス! 素敵です。
私は日本でしか飲んだことがないです〜。
そんな悲喜こもごもが生まれない、出来合いの「カルピスウォーター」はよろしくないと思います。
そう言いながら、特売で1リットル99円だったからといって箱入り「M永○ーラス」を買い、それを臆面もなく「カルピス」と呼んでお客に出した罪深い私をおゆるしください。
あるんですよね。
鮮やかに蘇える、何気ないひとコマが。
その節は失礼しました。兄上のエピソード、楽しいですね! ○ーラスは○ーラスでおいしいと思います。
冷奴さん、
なるほど! これはいいことを伺いました♪
junjiさん、
夏の思い出はさまざまですが、暑さと抜けるような青空や入道雲という条件は同じ。ああ、夏ってやっぱりいいですね。
カルピスは希釈して飲むので、自分の好みの味を作ることができ、それも楽しかったです。そしてあのビンが空になると夏も終わりでした。
本当にそうですね。「草いきれやセミの声」とセットになっているのであって、エアコンの効いた「平成の夏」じゃダメなんです。
「あのビンが空になると夏も終わり」というフレーズ、すごく素敵です!
今日からいよいよ新聞連載開始ですね。
カルピスのような、さわやかな夏休みのお話、楽しみにしています♪
関西版ということですが、明日から毎日新聞のHPにも掲載されるようですよ!↓
http://mainichi.jp/life/edu/yonde/
うわぁ、恥ずかしい…。
8月1日から1カ月間、毎日新聞大阪版で、子ども向けのおはなし「やっぱりサイコーの夏休み」を連載します。
関西方面の皆さま、毎日新聞を読む機会がおありでしたら、ちょっとのぞいてみてくださいね。ウェブでは1日遅れで読めるようです。
わかるような気がします。
最近は、冬場にはホットカルピスを楽しんでいます。
これもけっこうイイ感じです^^
カルピスは、美味しいですね。
冬のカルピス、というと、日曜日の夜のカルピス劇場のコマーシャルを思い出します(年齢がわかる!!)。
ああ、果てしなきカルピスの思い出……。
カルピス飲んで カンカン娘
一つグラスに ストローが二本
初恋の味 忘れちゃいやよ
顔を見合わせ チュウチュウチュウチュウ
これが銀座の カンカン娘
これが銀座の カンカン娘
4コーラス目の歌詞です。私はこの唄を井上陽水のカバーで聞いているのですが、どうも前の3コーラスとは異質です。
佐伯孝夫作詞、服部良一作曲の昭和24年の曲で前3コーラスはどうも当時のパンパンの心意気のように聞こえるのに、この第4コーラスはほほえましい青春風景ですし、「カルピス」という固有名詞が出てくるところがどうも怪しいと考えております。
ゆりこさん、お時間がありましたらこの「謎」を解説してください。
わたしはカルピスの包み紙もなつかしさ一杯で大好きです。そいうえば「初恋の味」とか宣伝していた記憶があります。
はいはい、見ていましたよそれ^^
「♪ルフルン ルフルン 雪うさぎ・・・」
という感じではなかったでしょうか?
やはり、果てしなきカルピスの思い出ですね。
驚きの「銀座カンカン娘」!
この4コーラス目の歌詞、ちっとも知りませんでした(カルピス社の人は知っているのだろうか…)。「初恋の味」はここから始まったのでしょうか。謎に取り組みます!
すいふようさん、
毎日新聞のおはなしを読んでくださり、ありがとうございます。子どもたちが面白がってくれるかどうか、まだわかりませんが、頑張りたいです。
KobaChanさん、
うわぁ、なつかしすぎ! よく覚えていらっしゃいますね。感激です。
カルピスの思い出で盛り上がっていますね。
ご多分にもれず、我が家もよくカルピスいただいておりました。
子供の頃、似たような飲み物に、ミルトンというのがあり、それは瓶の形が可愛らしかったのと、多分カルピスがフルーツ味を出す前にすでにフルーツ味(メロンとオレンジ)があって、その色がシャーベットトーンというかパステルカラーというか、淡い緑とオレンジ色で美しかったので、印象に残っています。
カルピスのCMでは、カルピス劇場だったのかどうか覚えていませんが、女優の中原瞳さんのお嬢さんが5歳くらいの時に出たものが最も印象に残っています。
夏の昼下がり、お昼寝から覚めて小さな可愛い女の子が飲むカルピス、風の通る緑したたるお庭、グラスの中で鳴る氷の音、女の子が嬉しそうにそのグラスを傾けて飲むしぐさの愛らしさ、涼しげで爽やかで、不思議に郷愁をそそる画像(私も子供でしたが)でした。
ああ、よみがえる記憶の数々!
ミルトンというのは、今もあるようですね。
カルピスのそのCMは確かに覚えています。お人形さんみたいに愛らしい女の子でした!
ミルトンは現在紙パックで売られているようです。昭和32年に日本で初めてフルーツ味の乳酸飲料を売り出したとのことでした。ガラスの瓶をいつまで使っていたのか、何も書いてありませんでしたが。
私が見たのはいつの頃だったか?カルピス同様に頂き物で届いていたと思います。それにしても、子供心に瓶が可愛いと思っていたのですが、、、。(あはは、年齢がわかりますね)
カルピスもいいけど、ミルトンという名前のやさしい感じ、すごく好きです!
いやあ、盛り上がりました。