ぐづぐづと晴れねば女梅雨といふ 言ひしはつまらぬ男なるべし
小島ゆかり
本土では(!)さわやかな5月であるが、沖縄や八重山ではもう梅雨である。梅雨入りした翌日、ホームセンターに湿気をとる製品を買いに行ったところ、数日前には確かにたくさん並んでいたはずなのに見当たらない。探し方が悪いのかなあ、と思って店員さんに訊ねると、奥のほうから5、6個持ってきて「もう売れちゃったんですよねえ」という。
その翌日に再度買いに行くと、今度は何種類も揃っていたのでいくつも買って帰った。その日は家電量販店で除湿機も2台購入。いろいろと物入りである。
そして、どうもトイレや畳の部屋がにおうので、これまで買ったことのない消臭グッズのコーナーに行くと、何という充実ぶりだろう! しかも、無臭タイプが多い。あまり注意して見ていなかったが、確か千葉のスーパーでは、ハーブやフローラルなどの香りを発する商品が主流だったような気がする。「無臭タイプ」の多さを見て、「そうか! ちょっとヘンなにおいがするのは、私の家だけじゃないのね」と安心した。
また、食器戸棚に敷くシート類の充実ぶりも素晴らしい。防虫、防カビ効果をうたったものがこれほど多いということは、敷かなかったら如何なる事態に遭遇するということであろうか……。
梅雨どきの湿気は少々憂鬱だが、小島ゆかりさんのこの歌を読むと、おかしくて元気な気持ちになれる。『雨のことば辞典』(講談社、倉嶋厚監修)を見ると、「女梅雨」は「しとしとと長く降りつづくタイプの梅雨。現在では適切なことばではない」と説明されている。わざわざ不適切だと述べているのがまた、しかつめらしい。
ちょうど梅雨の時期、沖縄県内では月桃の花(写真)が咲く。2008年に亡くなった岡部伊都子さんがこよなく愛した花なので、4月末に亡くなった岡部さんの命日は「月桃忌」と呼ばれている。随筆家として沖縄や戦争、美術など幅広い仕事をした岡部さんは、何事にも「女梅雨」のようにやわらかく長く取り組んだ方だったと思う。
☆小島ゆかり歌集『希望』(雁書館・2000年9月、2625円)
月桃の花って堅いんですよ。床に落ちるとコツンと大きな音がするので、一人の夜などどきっとします。
ザッと降ってからっとあがるのを「男性型」
と昔の天気予報ではいってたような記憶があります。
いまは、不適切でいえないのでしょう。
岡部さんのインタビューは、以前NHKの特番
(たしか学徒出陣に関するものでした)
に見ました。
岡部さん世代の多くの女性が、愛する人を戦争で失っています。
もう65年もの年月がすぎたのですね。
ちなみに沖縄ではサンニンといいます。
私の故郷の北谷町の町花ですよ〜
「この島の死者らの涙か梅雨激しく北谷の丘の月桃を打つ」
・・・自作で失礼しました。
あ〜、新聞が新聞受けに入れられる音。それは最終版を終えて帰宅し、なかなか眠れないときに聞くものでしたね。なつかし過ぎる〜〜。
SEMIMARUさん、
差別だから不適切というのではなく、今はさばさばした肉食系女子と、案外ねちっこい草食系男子が増え、「女〜」「男〜」と分けられなくなってきたからかもしれません。
65年の歳月について、いろいろなことを思います。
中村ケンジさん、
なんと、「北谷町の町花」なんですか!!
自作を披露してくださり、どうもありがとうございます。深く味わいたい一首です。
この季節感の辺りから、現実と虚構がひずんでる感じです。
、、と書いて、思い出しましたが、「歌に季節感を入れると、いい歌になる。」、、ということをこの歌のご本人から聞いたのでした。
季節感のずれは、地域性にもよると思います。全国一律の季語というのは、狭いけれども南北に長い日本ではちょっと難しいと感じるようになりました。
楽しみにしています。
ところで、梅雨どき生まれの女としては、「女梅雨上等!」です(笑)♪♪
励ましてくださって、本当にありがとうございます。
せっかく新しい土地に移ったのですから、たっぷりと島の風に吹かれて生活したいと願っています。
見事な月桃の花ですね。コツンと言う音を聞いてみたいです。
梅雨明けしてしまえば、そんなに年中、湿度が高いわけではないそうです。月桃の花、一度見にいらしてください!