
餅のかび百合の根などのはつかなる黄色もたのし大寒の日々
佐藤佐太郎
1月11日は「ムーチー」の日だった。旧暦の12月8日である。
「ムーチー」は沖縄で「餅」のこと。といっても本土の餅と違い、もち粉を練って蒸し、月桃の葉で包んだものをそう呼ぶ。正確には「鬼餅=ウニムーチー」という。五月の節句に食べるちまきに、ちょっと似ている。この餅で鬼退治、厄払いするという言い伝えがあり、健康を祈願する行事とされる。
これはもともと沖縄本島の行事だったが、次第に八重山でもムーチーが作られるようになったらしい。写真は、ご近所さんの手作りのムーチーである。昔はシンプルな白か、黒糖を混ぜた茶色しかなかったが、最近はけっこうカラフルなのだという。紫色のムーチーは紅イモフレークを使うからとか。私は月桃の葉の香りが好きで、ぱくぱく食べてしまう。
この歌の「餅」は、本土のふつうの餅を指すのだろう。「餅のかび」というのが実になつかしい。今の市販の餅は真空パックになっているけれど、子どものころの餅はすぐにかびが生えるのが常で、年が明けてしばらくすると、母は瓶に水を張って水餅にしていた。それでも怪しげな黄色や青、黒のかびが生えてきて、食べるときはその部分をこそげ取って、焼いたり煮たりしたものだ。あの「黄色」は確かに「はつかなる」色だったなあと思う。
もうすぐ「大寒」である。沖縄でも最も気温が低くなる時期で、ムーチーの日前後の寒さを「鬼餅寒(ムーチービーサ)」と呼ぶ。千葉から引っ越してくるとき、「もう暖房器具は要らないね」と、灯油ストーブやこたつは処分した。しかし、「もしかしたら…」と持ってきた遠赤外線ヒーターが、こんなに役立つとは! 島の若い設計士さんが「1年のうち、10日くらいはこたつが欲しい日がありますよ」と言っていたのは本当だった。
☆佐藤佐太郎歌集『冬木』(1966年8月、短歌研究社)
祭りのときのムーチーとなると、与那国ではクバの葉を、八重山では芭蕉(バナナ)の葉を使いますよね。石垣ではカサの葉というとバナナの葉のことを言うし。
どうしてかな。バナナの葉より月桃の葉の方が集めるのは簡単だし、食べる時も剥がしやすいのに。
月桃といえば、家族が旅行に行く時、うちではおにぎりをよく月桃の葉にくるんで持たせます。防腐効果があるし、いい香りが付くので。
おお、ムーチーのTPOに応じて葉っぱが変わるのですね。知りませんでした。
月桃の葉にくるんだおにぎり、美味しそうです!
冷奴さん、
東京の寒さ、想像しただけで震え上がりそうです。ご卒業も近いとのこと、万感こもごもです。
近くはいつ頃かしら?お目にかかれたら。
長女の大学受験がこれから始まるので、
大きく動けず、都内をうごうごしているので
スケ合わせられます。
草クンと一緒に会ってもいいし。
3月以降は、ぜひ石垣行きたいです!
「1年のうち、10日くらいコタツ・・・」ですか^^
やはり、暖かいところなのですね。
確かに暖房器具が使われるイメージが持てませんが、
今は寒いのですね。
「ウニムーチー」を食べて、
風邪などひかぬようご自愛くださいませ。
ちなみに我が家は白&茶の餅でした。紫はちょっと高級感がありますね。
私の拙い短歌を引用してくださり、恐縮です(汗)!
つよこさん、
ぜひぜひ石垣島へ!
KobaChanさん、
地元の人は結構寒がりです。「ついに灯油のストーブを買っちゃった」という方も。
中村ケンジさん、
「ムーチービーサ」を実感しております。私は茶色い素朴なムーチーが食べてみたいです(自分で作れ、って??)。
仙台に住んだ時、一年に一週間位冷房が必要でした。(笑)
東京近辺で講演があるときは日記に載せてください。
本当にさわやかな香りなんです。ああ、分けて差し上げたい〜。
今年の講演は今のところ、10月@鹿児島しか入っておりませんので、ご安心ください(笑)。