
この家の最初の客はアカショウビン朝の大気をふるわせて鳴く
昨日(4月21日)今年初めてアカショウビンが鳴くのを聞いた。とても嬉しくて、気持ちがぱっと明るくなった。
アカショウビンはカワセミの一種で、赤くて長いくちばしが愛らしい。「ヒョロロロ〜」という、半音階ずつ下がるような不思議な鳴き方をする。「コッカロー」とか「ホッカロー」というふうな表現もされている。春から初夏に南からやってくる渡り鳥で、夏が終わると去ってしまう。
この鳥を初めて見たのが、昨年5月1日の朝だった。前日の午後ようやく石垣島にたどり着き、段ボール箱の積み上げられた家で最初の夜を過ごした翌朝である。家の前の電線に、アカショウビンがとまって鳴いているのを見つけ、うっとりと聴き入った。「ここに住んでいると、毎日アカショウビンに会えるんだ!」と感激したが、それは大間違い。その後、鳴き声はしょっちゅう聞くのに姿は全く見ないまま、季節が変わってアカショウビンは去ってしまったのだった。
そういうわけで、昨日からアカショウビンの声を聞いては感慨を深くしている。先日ブログのコメントに「石垣島は常夏かと思っていたけれど、移住してからのブログの方が季節感たっぷり」と書いてくれた人がいた。季節ごとの出会いが多く、動植物も食べものもすべて季節の移り変わりを示していることを改めて思う。
写真は、田中一村の「ダチュラとアカショウビン」の一部。田中一村の移り住んだのは奄美だが、作品集を見返すと、クワズイモやアダン、テッポウユリ、オオタニワタリ、ガジュマルなど、石垣島でおなじみの植物ばかり描かれている。アカショウビンもいくつか描かれており、一村もこの鳥の鳴き声に慰められたことが多かったのかなぁと思う。
☆「かりん」2010年7月号
田中一村も大好きです。
沖縄の鳥っていいですよね〜
ホント、たくさんの人にアカショウビンの鳴き声を聞かせたいです!
田中一村、以前にも増して好きになりました。
解説と一緒に読んでよかった。
赤い一升瓶かと思ってひとりで赤面した私。
鳥のさえずりのサイトでアカショウビンの鳴き声、聞いてみました。とても素敵でした。薪割りの音と一緒に録音されているのもあって、「大気をふるわせて鳴く」って、こんな感じなんだと思いました。
この絵を拡大して見ると、目がとても利かん気な感じで可愛く思えたので、写真を見てみたんですが、やっぱりそんな目だったので、この絵がとてもよく描けている絵なんだと分かりました。
お茶目なコメント、ありがとうございました。
この歌は昨年5月に作ったものです。なんてことないものですが、自分にとっては大切な写真みたいな一首です。
よいかおりさん、
そんなサイトがあるのですね!私も探して聴いてみました。
「利かん気」というかわいい表現は、アカショウビンにぴったりです。
田中一村、前から好きでしたが最近さらに好きになってきました。
「風」のコラムも読ませていただきました。身近な人、場所、物が由利子さんのリポートでより一層知ることができました。
おかげでこの数日、食卓の話題が身内の事ばかりではなくなって少しは知的な会話も。
アカショウビンは雨だと鳴かないのでしょうか。日の差してきた今日は、時折声が聞こえます。
ウェブマガジン「風」を読んでくださって、どうもありがとうございます。今月末には「天文」をテーマにした最新号がアップされますので、どうぞお楽しみに!
おお、波照間!
まだ行ったことのない憧れの島です(お楽しみにとってあるのです)。
姿を見るのは、本当に難しいですよね。ずーっと聞こえているのになぁ。