フラメンコ人口多きこの国に何を求めて女ら踊る
松村由利子
日本はスペインに次いでフラメンコ人口が多いという。一説では、教室に通って踊りを習っている人が10万人に上るとか。驚くべき数字である。
その数字があまりに印象的だったので、何となく日本女性ばかりがフラメンコを習っているような気になっていたのだが、先日スペインのフラメンコ学校に行って、世界各国から女性たちが集まってきているのを目の当たりにした。
アンダルシア地方の観光都市セビージャは、セビジャーナスという踊りの生まれた土地である。ここのフラメンコ学校に5日間だけ通ってみた。学校では、アメリカ、フランス、韓国、ベネズエラ、レバノン……さまざまな国の女性たちと出会った。自分のことは棚に上げ、「どうして、この人たちはフラメンコを習おうと思ったのだろう」と不思議がってしまった。
学生時代からフラメンコを踊り続けている会社員の友人は、2つの理由でフラメンコを選んだと話す。第一に、必ずしも男性パートナーを必要としないこと。第二に、年齢を重ねても続けられる踊りであること。「スレンダーな若い女性だけが踊れる踊りじゃない。ちょっと恰幅のいいおばちゃんが踊っていても、それはそれでカッコいいのよ!」と彼女は言う。その2つの理由にいたく共感した私は、フラメンコを始めたというわけだ。
私の通う教室の人たちは、みな仕事を持っている。忙しく働く女たちが時間とお金をやり繰りしてフラメンコを習うのは、もちろん踊り自体に魅力を感じているからだが、もしかすると「自分一人でやれる」、そして「年齢差別がない」という、日本の職場ではなかなか実現しない2つのことがかなえられるからかもしれない。
稽古した人が一番うまくなる会社にはなき秩序を愛す
☆松村由利子歌集『鳥女』
最近、踊りまくっている私は、
知人に「超人的な活動」と評されました。
でも、好きだからこそ、仕事でないからこそ、
思い入れがあるからこそ、できるんですよね。
熱いコメントありがとう!!
やっぱり仕事以外に好きなものを持つのは人生で大切なことですよね。
それが自分を豊かにしてくれるんですもの。