2006年06月28日

いい子

0628flowers.JPGそんなにいい子でなくていいからそのままでいいからおまへのままがいいから
                               小島ゆかり


 子どもは油断がならない。ほっておくと「いい子」になろうとするからだ。親を喜ばせようとして、大人に褒められようとして、彼らはとことん心を砕く。
 幼い子どもをもつ親を対象にしたアンケートには、「どんな子どもに育ってほしいか」という質問がよくある。そこに「人に迷惑をかけない」という選択肢を見つけると、とても苛立ってしまう。他人に迷惑をかければ、結果的に親である自分が迷惑をこうむることになるから、というエゴイスティックな理由が潜むように思えるからだ。人に迷惑をかけずに生きるなんて、ほとんど不可能である。「私は誰にも迷惑をかけたことがない」と言う人がいたら、申しわけないが、かなり鈍感な人だと思う。
 「いい子」というのは、多くの場合、親や大人にとっての「いい子」である。そんなものになっても仕方ない。その子が感情を素直に表現したり、自分のしたいことを貫いたりすることの方がどれほど大切か。それが時に周りの子どもとの衝突を生んだり、大人をうんざりさせたりしても、大したことではない。自分を大事にできない人間は、人を大事にできない。誰にも迷惑をかけないように気を配るよりも、たとえ迷惑をかけてしまっても後でちゃんとフォローする方が現実的だ。
 親は往々にして、言葉以外のメッセージもたくさん発している。口では「あなたの好きなようにしていいのよ」と言っても、表情や口調が「でも、お母さんはね……」と反対のことを語っていては、子どもは自分の思うとおりに行動しにくい。この歌の作者は、2人の女の子の母親である。五七五七七に収まりきれないほどの真情があふれていて、胸が熱くなる。

☆小島ゆかり歌集『獅子座流星群』(砂子屋書房、1998年6月出版)


posted by まつむらゆりこ at 11:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 元気の出る子育て短歌 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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