指先まで力を込めよ負荷をかけ負荷をかけ人は美しくなる
発表会が近づき、先生の指導が週を追うごとに厳しくなってきた。
先週の稽古中には、「あたしは意志のない手は嫌いなの!」と鋭い声が飛んだ。身がすくんだが、ちょっと嬉しかった。というのも、このところ停滞気味で、間違えずに踊ることを第一に、必死に他のメンバーに合わせて体を動かしていたので、「表現」というところに一歩近づいた叱咤はありがたかったのである。
日本語で手足というときの「手」は腕全体を指すことが多いが、先生に言われた「手」は「マノ」と呼ばれ、手首から先の動きを指す。マノを除く腕の動きは「ブラソ」という。腕と足の動きをやっとのことで覚えても、最後に手を動かし始めると、全部がばらばらになってしまったりする。
稽古中に初めて「指を張って! 力の抜けた手はきれいじゃないよ」と言われたのは、いつだっただろう。「こんなところにまで力を込めなければいけないのか」と驚いた。それ以来、フィギュアスケートを見ても、シンクロナイズドスイミングを見ても、「なるほどー。やっぱり手先がきれいだよぉ」と納得している。
指先まで力を込めて踊るのは、常に凛と背筋を伸ばして生きることにつながるような気がする。気持ちや体が弛緩していては美しくない。つらいことや悲しいことがたくさんあっても、その負荷が人を美しくするのかもしれない。そんな思いを歌にした。
先生の声がびしびし飛ぶ。「その手は、欲深く、こちらに呼び込むような手なんだよ!」。うわぁ、かっこいい。ぴんと張った指先に、いっそう力を込める。
☆松村由利子歌集『鳥女』
フラメンコとは掛け離れてしまうけれど、以前エジプト旅行でベリーダンサーの方に目前で踊られた時、背筋が寒くなるような畏怖を感じました。迂闊に邪な思いを抱こうものなら、惑わされ誘い込まれて喉元を切られてしまうような…考えすぎ?(笑)
神々しく凛と伸びてくださいね。がんばって!
指先まで神経をいきわたらせるって大変ですが、それは踊りやスポーツなどその精神は全てのことに通じると思います。
短歌はやりませんが、よろしくお願いします!^^
短歌に特にご興味がないのに読んでいただけて、とっても感激です。
「凛」は私も大好き。
どうぞ、また遊びにきてくださいね♪
学生時代にフラメンコと出会いました。
去年からは短歌も好きになり、つい最近 こちらを見つけました!
熱く、血が沸き立つ思いです。
「鳥女」
発売終了………とありますが、探してみます!!!