2012年07月01日

再開することにしました

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ブログを休んで1年たった。
仕事が捗ったか……と言えば、そうでもない。相変わらず原稿書きに追われている。
でも、先日友人から「みんなが楽しみにしているのだから、早く再開しなさい!」と叱られてしまった。

ずっと休んでいたのは、忙しさ以外にも理由があった。
誰に向けて発信しているのか、よく分からなくなったこと。
自己満足に過ぎないのではないか、という迷いがあったこと。
一定以上のレベルの文章を書かなければ!と気負っていたこと。
−−まあ、そんなところである。

あまり気負わず、緩い感じで、自分のよいと思う歌を少しずつ紹介してゆこうと思う。
更新する曜日もスタイルも決めず、気が向いたときに書くことにする。

みなさま、1年間ごめんなさい。
これからまた、どうぞよろしくお願いします。

今日の一首は、とても好きな歌集の中から。

  かなしみか 皿洗ふとき消えかけてまたふくらみて雨が脈打つ
                      朝井さとる


読んだ途端に、涙がじわーっと湧いてきた。
「かなしみ」は、心の奥にしまわれている。誰もが用心深く、その存在について考えまいと日常をやり過ごしているのだ。しかし、時折それはふっと浮かび上がり、自分を揺さぶる。
「かなしみ」は、誰とも分かち合うことができないのだと思う。そのこと自体がまた悲しくて、やるせない。

   *朝井さとる歌集『羽音』(砂子屋書房、2012年5月刊行)
posted by まつむらゆりこ at 17:12| Comment(17) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
書き続けてください。由利子さん!
Posted by morijiri at 2012年07月01日 19:30
morijiriさん、
早速どうもありがとうございます!
(なぜかトップページがきちんと更新されてなくて…)
細く長く、続けたいと願っています。
Posted by まつむらゆりこ at 2012年07月01日 21:22
再開されるのを心待ちにしていました。
ご自身のブログなのに「お帰りなさい。」という気持ちになるのは何故でしょうか。
250回位はアクセスしたかなあ。
1か月でも2か月でも待っています。時々更新してください。気長に待っています。
Posted by Yuji Imabayashi at 2012年07月01日 21:23
Imabayashiさん、
「お帰りなさい」という気持ち、と書いてくださったのが、とても嬉しいです。
すてきな歌はたくさんあるので、私はそれを少しずつ紹介すればいいんだよね、と思っています。
Posted by まつむらゆりこ at 2012年07月02日 07:07
 1年間の御無沙汰でした、か。ずっと待ってた人がいるんだから、素晴らしいこってす。文弱の徒はやはり書かねば。誰が読もうが、それはどうでもよいことでっしょ。ということで、祝!再開。うちの下の娘がこんど怖い短歌を集めた本をつくるとか言ってました。
Posted by 冷奴 at 2012年07月02日 12:44
冷奴さん、
ありがたいお言葉に感激しております。
皆さまに楽しんでいただけるように、ゆるーく頑張ります。
「コワイ短歌」を集めた本、って面白そうですね♪
Posted by まつむらゆりこ at 2012年07月02日 14:02
再開されたのですね。
是非、マイペースでやってくださいませ。

誰しも哀しみを共有できる味わい深い歌ですね...。
Posted by tokoro-11 at 2012年07月02日 15:13
tokoro-11さん、
お久しぶりです。早速お読みくださり、本当にありがとうございます。
仰せのとおり、マイペースで続けますね♪
Posted by まつむらゆりこ at 2012年07月02日 18:27
再開されたんですね。
素敵な歌の紹介ありがとうございます。
心地よい涼風が南の方から届きました。

松村さんの『自由帳』ですから
どうぞ、マイペースで末永く…
Posted by itoplan at 2012年07月02日 22:07
名前をよいかおりからミルトスに変えました。

私もしばらく前に、こんな直截な歌を作ってブログに載せました。
喜びは分かち合えない哀しみもひとりでそっと涙するだけ
歌ってる声をわたしは聞いている君と分かてり春の孤独を

「私は、歌とは独語の形をとるときにもっとも美しいと信じている一人である。ところで独語という聴き手や返事を求めない歌が、たまたま他に響いていってその人を感動させることがあり得るのだが、そのような時、私は素直にその幸福をよろこぶのである」と葛原妙子も書いていますよね。
ブログも似ているんじゃないかと思います。
誰よりも先ず、自分に向けて語れば良いのではないでしょうか?
Posted by ミルトス at 2012年07月02日 23:34
itoplanさん、
いつもお励ましくださり、心からお礼申し上げます。そうでした、「自由帳」だったのでした。書いてくださったコメントに、心地よい風を感じました。

ミルトスさん、
新しいお名前、聖書にも出てくる植物ですね!
葛原妙子の言葉を引用してくださり、改めてはっとさせられる思いでした。詩歌には「独語」の純粋さこそが大切なのです。よきアドバイスをありがとうございました。
Posted by まつむらゆりこ at 2012年07月03日 06:26
はじめまして。
twitterでたまたま拝見してエッセイを読みました!女子だと思いこんでいたらNHK歌壇という雑誌にもお名前を見つけ、歌にはじめて触れました。(晶子や啄木は知っていますが最近のものは無知です)

「凡百の窓開かれていっせいに自分語りのはじまる世界」

というまつむらさんの歌でした。

厳しさか俯瞰か自嘲か。
わからず立ち止まりました。
(真意をおしえてください。ブログのことですか?!)

歌や詩はよくわかりませんが、
twitterの南島通信のようなものが読めるのでしたら、ここも是非拝見させていただきたいです!

Posted by Kei at 2012年07月03日 13:30
Keiさん、
はじめまして。どうぞよろしくお願いします。
歌は、発表した時点で作者を離れるものですから、どうぞお好きなように読んでください。作者が注釈したら、何も言えなくなってしまうでしょう?
ブログ、お楽しみいただければ幸いです。
Posted by まつむらゆりこ at 2012年07月03日 17:05
おかえりなさい^^
また楽しませていただきます。
ゆりこさんも楽しんでください。
Posted by KobaChan at 2012年07月08日 21:13
KobaChanさん、
ありがとうございます!!
本当にいつも変わらぬお励ましをいただき、心から感謝しております。
Posted by まつむらゆりこ at 2012年07月08日 23:08
ブログ再開、今日気がつきました。

気に入ったものを取り上げて、まとまったら、また本にして下さい。
Posted by 拓庵 at 2012年07月10日 21:02
拓庵さん、
どうもありがとうございます。再びご愛読いただければ嬉しい限りです。
このブログの内容をまとめて本にしたことはまだないんですよ(汗)。何かのテーマでまとめてみてもいいかもしれませんが、大手出版社に勤める友人からは、「文学、それも短歌関係のものは売れない」と断言されております(泣)。
Posted by まつむらゆりこ at 2012年07月10日 21:18
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