でんでん虫の殻に入ってゆくようなサグラダ・ファミリアまだ工事中
奥田亡羊
スペインを訪れた。昨年初めて行ったときは、フラメンコ学校に通うために南部のアンダルシア地方の町、セビージャを訪れたが、今回はアントニ・ガウディの建築物をじっくり見ようと、バルセロナのみの旅だった。
サグラダ・ファミリア(聖家族教会、贖罪聖堂)は、1882年に着工され、今も建築中の教会である。ガウディは最初に請け負った建築家から引き継ぐ形で、1891年から取り組んだ。
まだ工事中なので内部には光が降り注ぎ、意外なほど明るくやわらかな雰囲気だ。円柱は樹木の幹のような曲線を持ち、天井部分も放物線と双曲線が組み合わせられているため、聖堂内にいると、何だか森林の中に立っているような気分になる。ゴシック建築の教会が、人を威圧するような荘厳さに満ちているのとは全く違う。
2ユーロ払うと、エレベーターで鐘楼の上まで上れるのだが、これがまた素晴らしい。サグラダ・ファミリア自体もよく見えるし、バルセロナ市街の眺望も楽しめる。入館料は8ユーロだが、エレベーターの2ユーロは絶対に10倍の価値はある(高いところが苦手な人には勧められないが)。
奥田さんの歌は、「でんでん虫の殻」というのがうまい。「ああ、そういう見方もあるか」と思ったが、私はこれから「森林の中」の雰囲気で歌を作ってみようと思った。
聖堂の石のベンチに腰かけていつまで君を待てばよいのか
松村由利子
☆奥田亡羊歌集『亡羊』(2007年6月刊行)
そのように世紀を超えて進められるプロジェクト、すごいですねぇ。記事でご案内のアントニ・ガウディが、しっかりとその方向を示したからだとか。違う時代の建築家や職人を束ねてしまう、すごいリーダですねぇ。
そういう壮大なプロジェクトの進行途中の中に入られ、松村さんは「森林の中」にいる雰囲気を感じられたとか。これから取り組まれる作品が出来上がったら、ぜひこちらでもご紹介いただければと思います。
楽しみにさせていただきます。
「高いところが苦手な人には勧められないが」というさらっとした注書き、これは松村さんがもって生まれた、そして今ますますの優しさ、気遣いなんでしょうね。
発表された歌で(私が読んだのはそのごく一部だと思うけれど)人を傷つけたことが無いもんね。自虐的なのはあったような気もするけれど。
これからも優しく、言葉の本来の意味で「マドンナ」として、みんなを癒してください。
世界、いや、宇宙そのものが巨大プロジェクトかも…。と、壮大なロマンを思い巡らせたかと思うと、子どもの爪が伸びるのをみて、これもそうかな、とか…(笑)。
何もかもが「工事中」なのね。楽し〜♪
とうもろこしのようにそびえたつサグラダファミリアは完成することよりも、完成するかどうかわからないものを作り続けるということがすごいなぁと感じました。未完成であることに価知があるのでしょう。
「でんでん虫」も「森林の中」というのも有機的なガウディの作品の中に包まれる感覚に共感します。
雑事に追われて、なかなか旅の歌ができません。帰りの飛行機の中でつくりたかったけれど、1歳くらいの赤ちゃんがすぐ傍の座席にいて……。
濱徹さん、
「いつまで君を…」の「君」は、未完成のサグラダ・ファミリアと読んでもらってもいいんですよ!
もなママさん、
ああ、本当にそうですね。壮大なプロジェクトかぁ。あなたも私も発展途上♪ってことで。
yoyoさん、
カサ・ミラは私も大好き! でも外から見る時間しかなくて。コロニア・グエル教会、グエル公園はじっくり見ましたが。全部見ようというのは結構大変です。
Lucyさん、
未完成の状態がずっと続いてほしいような気持ち、実はありますね。
「未完成のままずっと続いてほしいような気持ち」私にもあるんですが、完成しないうちに崩壊の危機と書かれるなんて・・・
ここにも効率と文化(遺産?)の相克。