2006年06月22日

『鳥女』

『鳥女』.JPG 

*売り切れました

『鳥女』(本阿弥書店、2005年11月出版)

 くりかえし繰り返す朝わたくしの死後も誰かが電車に駆け込む
 耐えかねて夜の電車にそっと脱ぐパンプスも吾もきちきちである
 鳥よりも魚が好きなりああ鳥は体温たかくびくびくとせり
 女たち連帯せよと口惜しく真夜中に観る「テルマとルイーズ」
 超大陸パンゲアを恋う地続きの平和が多分あった頃だよ
 花びらは破れやすかりひらがなの名をもつ友のみんなやさしく
 女らは鳥になりたしぬめぬめとやわきものもう産みたくなくて
posted by まつむらゆりこ at 14:58| Comment(28) | TrackBack(9) | 私の歌集 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

『薄荷色の朝に』

『薄荷色の朝に2』.JPG 

*売り切れました

『薄荷色の朝に』(短歌研究社、1998年12月出版)

 一段を踏みはずしたる朝の駅群れを追われるガゼルもあらん
 白木蓮の卵いよいよ膨らみて大地の祭り始まらんとす
 シルル紀の雨もこんなにやさしくてアンモナイトは口開きしか
 恐竜の滅亡を子よとくと見よ楽しい日には終わりがあるの
 口角を上げよ背筋をぴしと張れ働く女は日輪の花
 犀よ犀 その厚き皮膚を給えかし憎しみも雨も円く弾かん
 悲しみの深ければ人は森へ行き誰か呼ばわん鳥となるまで


posted by まつむらゆりこ at 14:54| Comment(23) | TrackBack(5) | 私の歌集 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。